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東京高等裁判所 昭和61年(行コ)6号 判決

控訴人は、本件計算書及び本件地図は、土地区画整理審議会が本件仮換地指定についての審議及び議決を目的として昭和四九年一月二六日会議を開いた際に審議資料に供されたものであり、右審議会の会議録の一部をなすものであるから、土地区画整理法八四条一項の規定を承けて定められた土地区画整理法施行令七三条三号後段所定の簿書に該当すると主張する。

しかし、同令七三条三号後段にいう「土地区画整理審議会の意見(同意又は不同意の意見を含む。)を記載した書類」とは、土地区画整理審議会が施行者から諮問を受け、又は同意を求められた案件につき審議、議決を経て決定した同審議会の意見(同意又は不同意の意見を含む。)を施行者に対して答申した書類をいうのであって、右の議決をするために同審議会が行った審議の経過、内容等を記載した会議録や、審議の資料として利用された書類は、同令七三条三号後段所定の書類に該当しないものと解するのが相当であるから、控訴人の右主張は採用することができない。

控訴人は、また、本件計算書は換地計画書と実質的には全く同一のものであり、本件地図は静岡県静清土地区画整理事業(以下「本件事業」という。)の施行者である被控訴人静岡県が土地区画整理法八六条、八七条に従い換地計画を定めるにあたって作成すべき同法施行規則一二条所定の「換地図」に該当するから、これらはいずれも同法八四条一項所定の「換地計画に関する図書」に包含される旨主張する。

しかしながら、同法九八条一項によれば、仮換地の指定には、土地の区画形質の変更もしくは公共施設の新設もしくは変更に係る工事のため必要がある場合に行われるものと、換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合に行われるものとの二種類があるところ、前者においては、仮換地の指定の際に換地計画が定められている必要はないのである。これを本件について見ると、≪証拠≫に弁論の全趣旨を総合すれば、本件仮換地指定は、換地計画に基づく換地処分を行うため必要があることを理由として行われたものではなく、土地の区画形質の変更に係る工事のため必要があることを理由として行われたものであって、本件事業については、いまだ換地計画が定められていないこと、本件計算書は、被控訴人静岡県が本件仮換地指定を行うにあたって事業計画に定められた街区に従前の土地に対応する仮換地の割込みをするために作成したものであること、本件地図は、同被控訴人が本件仮換地指定について、土地区画整理審議会の意見を求める際に審議資料として提出する目的及び同法九八条四項の通知をする際に必要な仮換地の位置を表示する図面とする目的で作成したものであることが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。

そうすると、本件計算書及び本件地図は、同法八六条、八七条、同法施行規則一二条の規定により換地計画を定めるにあたって作成された書類ではないから、同法八四条一項にいう「換地計画に関する図書」に該当しないことが明らかである。

以上によれば、本件計算書及び本件地図は、被控訴人静岡県が本件事業の主たる事務所に備え付けて利害関係者の閲覧請求に応ずべきことを義務付けられている簿書に当たらないから、右各書類について控訴人がした閲覧請求を拒否した被控訴人静岡県の処分に違法とすべき点は存しない。

(柳川 近藤 林)

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